コミュ力が無くて悩んでいる方は、「人との距離の取り方が分からない」「そもそも人生に生きがいを感じない」などと感じて辛い思いをする事が多いのではないでしょうか。「コミュ力が無い」と、悩んでいる方は、経営者として成功した人の経験や、人間関係を築く為に大切な心構えを本から読み取ると、あなたが自ら閉ざしていた可能性を切り開く為のヒントを得られるはずです。
そこで今回は、コミュ力向上にあたり役立つ書籍と、その大まかな内容についてお伝えします。「こういう考え方もあるんだ!」という発見をする事が出来れば、それまでコミュ力に自信が無かった方が視点を変えて物事に取り組めるきっかけを掴めるかもしれません。ぜひチェックしてみてください。
松下幸之助の「道をひらく」
「道をひらく」は、松下幸之助の残した格言に触れる事が出来る短編随筆集です。松下幸之助は、現在のパナソニック株式会社の経営者です。彼の残した格言は、まるで詩を読んでいる時のように読者の心にスッと入り込んでいきます。
内容としては仕事における心構えや、人間関係についての悩み、そして人生をどう生きるべきかといった彼の考え方が表わされています。この本で彼は、私たちが今生きているこの人生そのものを「自分にしか歩めない、かけがえのない道である。」と書いています。
まずは挑戦してみる事、そして周りの人との縁を大切にする事を強調しているこの本は、コミュ力が無くて落ち込んでいる方への励ましにもなります。短編なので、1日の始まりにパッと開いたページを読んでみても良いでしょう。経営者ならではの厳しくもどこか温かい言葉で、「よし、私も頑張るぞ!」という勇気を与えてくれます。
野口嘉則の「鏡の法則」
この本では、コミュニケーションにおける「鏡の法則」について分かりやすく説明しています。それは「私たちは親と築いてきた関係を、他者との人間関係に投影する傾向がある」という法則です。
主人公の栄子は、息子が友達から仲間外れにされていて悩んでいます。息子は心を開かずに「僕は平気だ」と言い張り、ふさぎ込んでしまいます。その事で旦那さんからも「お前はずっと息子の事で悩んでいるな」と言われ、「あなたなんかに子育ての悩みは分からないわよ!」と喧嘩してしまいます。
子供や旦那との関係が上手くいかず悩んだ栄子は、経営コンサルタントである矢口という男に電話をして相談します。すると、「あなたは自分の親に感謝していますか?」と栄子に尋ねます。実は、栄子は数年前に親と喧嘩をしてから、気まずい思いをしていました。栄子は矢口に提案された通り、電話で感謝の言葉を伝える事を提案し、親と無事和解します。
「さて、あなたは息子さんが心を開いてくれないから悩んでいるんですよね?実はあなたの親が感じていた事は、今の栄子さんが息子さんに感じている事と同じですよ」と矢口に言われ、栄子は息子の気持ちに初めて気付く事が出来るのです。
コミュ力が向上しなくて悩む方は、あなた自身の「鏡の法則」に気付く事で、どう周りの人に接するべきかというヒントを得てみてください。
前刀禎明の「5年後先のことなど考えるな」
この本は、ソニーやディズニー、アップルに勤めた経歴のある著者が自らの経験を踏まえて記した自己啓発本です。「赤面症だった僕が、スティーブ・ジョブズと仕事できた理由」という、ワクワクするような帯も付けられています。
著者がとにかく強調しているのは、「未来の事は気にせず、楽しもう!」という事です。
「○○せねばならない」という固定観念を捨て、人の意見やブランドを気にする事なく自分のやりたい事をやるだけで、人生は良いものになると伝えています。
曽野綾子の「人間にとって成熟とは何か」
この本では、人間の心や社会、物事の捉え方について書かれています。私たちが生きていく上で、時間は平等に流れます。しかしそれをどう過ごし、何を思うかは人それぞれ異なっていて、その人の捉え方によって人生が面白くなる人・つまらなくなる人に分かれるという著者の考え方が記されています。
「人は元々一人では生きられない」「人間関係には喧嘩したという負の繋がりさえ発生する」と主張する彼女の言葉は、コミュ力の有無を問う以前の問題として、私たちが自然と誰かと関わっている事を実感させてくれます。
湯川久子の「ほどよく距離を置きなさい」
この本で著者は、「あえて距離を置いた方が、人は優しくなれる」と考えています。人間関係のトラブルを「もつれた糸」と例え、その糸をほどくには、その絡まりをさらに引っ張って複雑にするのではなく、和解をしてそっとほどく事が大切としています。
コミュ力が無くて悩んでいる方は、おそらく「あの人に気に入られるような事を言わなくちゃ」などと気を遣いすぎてしまい、人間関係に本当に必要な距離感のとり方が分からなくなってしまう事があるのではないでしょうか。この本は、あえて距離を置くことの大切さを教えてくれるヒントが記されています。
今回はコミュ力向上に役立つ本と、その内容についてお伝えしました。コミュ力に自信が無い方にとっては、コミュ力が無いこと自体に焦りを感じてしまったり、周りの人にどう思われているか気になってしまうという事がありますよね。
しかし、本を読めば著者の生き方や考え方にふれ、自分の知らなかった世界に出会えたり、自分がそれまで思い付かなかった発想を得る事が出来ます。もちろん著者が違えば、本で伝える主張は十人十色違いますが、あなたが悩んでいる事を解決する為の道への気づきをもたらしてくれるはずです。
今回お伝えした書籍で気になる物があれば、ぜひその本を読み、コミュ力向上のためのヒントや、人間関係における心構えについて学んでみましょう。