他人との会話における伝達や指示、例の提示に必要な「説明力」。学校や職場だけでなく、友人や家族との会話においても必要なものですよね。しかしながら、誰でも一度位は「説明下手で連絡事項が上手く伝わっていなかった…」とか、「説明下手なのが原因で、誤解が生じてしまった…」といったトラブルが起きた事があるのではないでしょうか。
実は、説明下手な人が失敗してしまうのには原因があるのです!それは、確認不足であったり、言葉足らずであったりといったちょっとした事なので、意識すればすぐに改善出来ます。「も~先輩、説明下手ですよ~…」などと言われてしまった場合には、具体的にどのような点に齟齬が生じたのかを確認して改善する必要があります。
そこで今回は、「説明下手な人が陥りやすい失敗」を取り上げ、その解決法についてもお伝えします。
主語を話し忘れる
説明下手だと、自分の言いたい事がうまく相手に伝わらず、もどかしい思いをしますよね。自分だけでなく、相手も本来とは違った解釈をしてしまい、食い違う事もあるでしょう。
説明下手が陥りやすい失敗のひとつに、「主語を話し忘れる」という事があります。例えば、以下のような会話です。
「この書類コピーしておいてね。あと例の件、田中さんに伝えておいてくれた?」
「あ、明日までにやっておきますね。」
この会話だと、女性が何を明日までにやっておくのかが明確になっていません。書類のコピーを明日までにやるのか、田中さんへの伝達を明日までにやるのか、どちらの可能性も解釈できてしまいます。
この原因は、主語がはっきりとしていない為です。何気ないコミュニケーションにおいても、何となくで会話を進めてしまうと、主語を忘れがちです。このままでは男性が勝手に、「両方大丈夫だな」と解釈してしまうかもしれません。
この言葉足らずの現象を防ぐには主語を付ける事が大切です。主語を付ける事によって、指示を出した男性にも確認が取れます。
田中さんには明日までに伝えておきますね」
「いやいや、急いでるから今日中に伝えて。」
このようにお互いが主語を確認する事で、その情報の重要性も分かるようになるのです。
確認を怠る
説明下手な人が陥りやすい失敗には、「確認不足」もあります。例えば会話の中で話題がコロコロと変わると、「あれ、今って何の話をしているんだろう…」と分からなくなることがありますよね。特にあわただしい職場においては、常に色々な情報が飛び交いますので特に確認が大切です。
A:「例の件確認しておいてね。あと例の書類はチェックしたから進めて。」
B:「あ、例の件なんですけどOK貰えました。」
このままでは、Aさんの考えている「例の物」とBさんの考えている「例の物」が同じかどうか分かりません。二人が話題としている対象が何かを確認する必要があります。
B:「○○の件は確認しておきますね。例の書類って、こちらですよね。」
A:「それじゃなくて、この書類の事だよ。」
このようにAさんの指示をもう一度繰り返したり、指示語を確認する事が出来れば、誤解も無くなります。特に会話が長くなればなるほど、話題はあちらこちらと飛ぶ事も多くなります。時には一旦会話をストップさせて、話題の確認をする事を意識してみましょう。
例の提示が少ない
説明下手な人が陥りやすい失敗には、「例の提示が少ない」という点もあります。特に仕事においては、難しい専門用語が多く登場します。ベテラン社員が普通に使用している言葉であっても、経験の差が理由で、新入社員には分からない事も多くあります。
そこで大切なのは、例の提示です。分からない言葉を辞書で引くと、多くの場合、類語や使用例も載っていますよね。それによって、自分の持っている情報(既知情報)とリンクさせる事ができ、よりスムーズに新しい情報を取り入れやすくなるのです。
専門用語に限らず、仕事を教える際には例を提示する事で、相手がイメージしやすくなります。説明下手だと言われてしまう場合には、例を提示しながら、自分の伝えたい情報に関するイメージを相手と共有してみましょう。
今回は、「説明下手な人が陥りやすい失敗」を取り上げました。説明下手な原因には、コミュニケーションを取る中で誤解が生じてしまったり、食い違いが発生してしまう点にあります。そのような現象を少しでも無くすには、主語を明確にしたり、会話の内容を確認するといった事を意識するだけで、より円滑に意思の疎通が図れます。
また、難しい専門用語や、仕事の指示・説明に関しては、具体例を盛り込むと効果的です。たとえ信頼しあっている相手との会話でも、「きっと分かってくれているだろう。」と判断せず、何について話しているのかをしっかりと確認する事が大切です。
説明や確認を上手くできれば、相手に誤解を与える事なく、スムーズに仕事が進みます。円滑にコミュニケーションをとるためにも、ぜひ今回取り上げた方法を実践してみてください!