日本で取得できる心理学の資格とその難易度

日本で取得できる心理学の資格とその難易度
大学などで心理学を学んでいる人の中には、「心理学に関する資格を取りたい」と考える人もいますよね。しかし「心理学の資格を取っても、働ける場所は少ないのではないか」という疑問を持ちます。

確かに一般の職種に比べると、心理学の資格を活かした職場は少ないです。しかし価値観が多様化している現代社会において、メンタルヘルス対策が重要視され始めています。なので、少しずつではありますが心理学の資格を活かした職場は増えてきています。

活躍できる分野は病院や家庭、学校などあらゆる分野で広がっています。ただし、心理学の資格を取る為には、試験に合格したり大学で必要科目を受講したりと、様々な条件があります。そこで今回は、日本で取得できる心理学の資格とその難易度についてお伝えします。

 

日本で取得できる
心理学の資格とその難易度

 

臨床心理士

臨床心理士とは、臨床心理学に基づく知識や技術を用いて、心の問題にアプローチする専門家です。患者(以下クライエント)が抱える心の問題を把握し、その人らしい生活を送る為に援助を行います。

精神科医は医師として心の病気(精神疾患)かどうかを「診察」し、投薬などの「治療」を行います。対して臨床心理士はクライエント1人1人の価値観を尊重し、心の問題の解決や軽減に着目しています。

難易度は数ある心理学の資格の中でも難しいです。というのも、臨床心理士になるための試験を受ける為には、財団法人日本臨床心理士資格認定協会(以下協会)の指定を受けた大学院修士課程の修了が必須となったからです。

加えて、5年ごとに資格を更新することが義務づけられています。協会が主催する研修会への参加や論文の公刊などがあり、資格を取得しても勉強し続けなければいけません。

 

産業カウンセラー

産業カウンセラーは心理学の資格の中でも、働いている人へアプローチする職種です。職場で精神の不調を訴えている人へ援助を行ったり、労働者が働きやすいように環境づくりを行ったりします。

産業カウンセラーになるには、四年制大学で一定の単位を取得していることや、産業カウンセラー協会が定める講座を修了していることが受験資格としてあります。臨床心理士に比べて難易度は低いですが、大学や講座を受講しなければいけないので、意欲的に勉強する姿勢が求められます。

産業カウンセラーは今後、需要が高くなっていきます。人手不足で労働者1人への負担は大きくなり、仕事量は増えても待遇は良くなりません。そんな生活が続いて行けば、精神に不調をきたす人は増えてきています。なので、そんな労働者を支える産業カウンセラーは、これからの現代社会に必要なのです。

 

精神保健福祉士(以下PSW)

PSWは、精神疾患を抱えている人に対し、福祉サービスを用いながら援助を行う国家資格です。他の心理学の資格との違いは、「福祉」という立場から援助を行うということです。

なので心理学だけでなく、その人らしく生活できるよう、福祉サービスに関する知識も求められます。PSWの職場としては精神科病院が多いです。その人が退院後、地域で生活できるように、関係機関と連携して支援を行います。

難易度は国家資格ということもあり、難しいです。またPSWになるには大学で指定された単位を取得することに加え、実習を行うことが必須となっています。最近では通信制の大学も増えてきており、働きながら勉強することも可能です

 

学校心理士

学校心理士は、学校で問題を抱えている子どもに対し、援助を行う職種です。対象は子どもだけでなく、保護者や教師、学校へもアプローチを行います。

子どもを取り巻く問題は日々多種多様化しており、教師だけではフォローできないというのが現状としてあります。学校心理士は教師と連携し、子どもが成長できるよう援助していきます。

学校心理士になるには、教員免許を持ち、大学院で学校心理学など必要科目を受講していると、申請することができます。他の心理学の資格と異なり、試験を受ける必要はありません。

 

いかがでしょうか。心理学の資格としてまず挙げられるのは、臨床心理士です。臨床心理士になる為の試験を受ける為には、指定された大学院の修士課程を修了しなければなりません。その為、資格を取る為に何年も必要です。

「働く人を支えたい」と考える人には、産業カウンセラーがオススメです。大学で指定された単位を取得するほか、産業カウンセラー協会が定める講座を受講すると試験を受ける資格を得られるので、臨床心理士に比べて資格を取りやすいです。

福祉分野では、PSWがあります。PSWになるには大学で勉強する必要がありますが、通信制の大学もあるので、働きながら勉強することが可能です。子どもが好きな人は、学校心理士という職種があります。教員免許を持ち、大学や大学院で指定科目を受講すると、申請することができます。

今後、心理学は私たちの生活を支える上で非常に重要なものになっていきます。是非、心理学を活かした資格を取って、人々の生活を支える人になってくださいね。

まとめ

日本で取得できる心理学の資格として

・臨床心理士
・産業カウンセラー
・精神保健福祉士
・学校心理士

タイトルとURLをコピーしました